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文書作成日:2026/09/10
2027年度の厚生労働省税制改正要望/医療編

 厚生労働省から、2027年度(令和9年度)の税制改正要望が公表されました。

 厚生労働省の税制改正要望は、医療・介護・福祉から雇用、年金まで幅広い分野にわたります。

 ここでは、厚生労働省の要望のうち、医療機関に特に関連の深いものを取り上げます。


医療提供体制の確保に資する設備の特別償却制度の延長等〔所得税、法人税〕

 今回、厚生労働省が健康・医療分野の「主な税制改正要望」として掲げたのが、医療提供体制の確保に資する設備の特別償却制度の延長等です。適用要件を見直したうえで制度を拡充し、適用期限を延長することを求めています。

 対象となる特別償却制度は、大きく3つあります。

  1. 医師・医療従事者の労働時間短縮に資する機器等
    医師等勤務時間短縮計画に基づいて取得した器具・備品(医療用機器を含む)、ソフトウェアのうち、一定の規模(30万円以上)のものについて、取得価額の15%を特別償却
  2. 地域医療構想の実現に向けた病床再編等のための建物等
    地域医療構想調整会議で合意された具体的対応方針に基づいて病床再編等を行う場合に取得・建設・改修する一定の建物・附属設備について、取得価額の8%を特別償却
  3. 高額な医療用機器
    500万円以上の一定の医療用機器について、取得価額の12%を特別償却

 いずれも地域の医療提供体制を維持するための設備投資を支援する制度です。今回は、これらについて適用要件を見直して拡充するとともに、適用期限を延長することを要望しています。

 高額医療用機器の特別償却制度については、四病協や日本医師会も2027年度税制改正に向けて拡充を要望しています。医療機関の設備投資をめぐる税制について、今後の展開に注目したいと思います。

社会保険診療報酬に係る事業税の特例措置の存続等〔事業税〕

 社会保険診療の高い公共性を踏まえ、社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置を引き続き存続することを求めています。

 また、医療法人の社会保険診療報酬以外の部分についても、医療事業の安定性・継続性の確保や、健康診断、予防接種など自治体が主体となって行う事業を実施していることなどを踏まえ、事業税の軽減措置の存続を要望しています。

健康保険法等の改正・次期医療保険制度改革に伴う税制上の所要の措置

 2026年に成立した健康保険法等改正法では、OTC類似薬の一部保険外療養の創設や、出産に係る保険給付体系の見直しが行われました。

 OTC類似薬については、2027年3月から、77成分・約1,100品目を対象とすることが想定されており、薬剤費の4分の1を「特別の料金」として患者が負担する仕組みが始まります。今回の要望では、この「特別の料金」について、社会医療法人等の収入要件やいわゆる四段階税制では社会保険診療と同様に取り扱うとともに、消費税を非課税とすることを求めています。

 また、出産については、新たに創設される「分娩費」「出産時一時金」に合わせ、社会医療法人等の収入要件における「助産」に係る収入金額の取扱いを見直すことを要望しています。

 このほか、「経済財政運営と改革の基本方針2026」等を踏まえて検討される次期医療保険制度改革についても、その検討結果に応じた税制上の措置を求めています。


 今回の医療分野の要望では、医療提供体制を支える設備投資への税制支援の拡充・延長が、厚生労働省の「主な税制改正要望」として前面に掲げられました。医師・医療従事者の働き方改革、地域医療構想、高額医療機器に関する3つの特別償却制度について、単なる期限延長にとどまらず、適用要件を見直したうえで拡充することも求めています。

 また、2026年に成立した健康保険法等の改正を受けた税制措置も要望されており、今後の医療保険制度改革とあわせて動向が注目されます。

 今後、年末に発表される税制改正大綱に向け、税制改正の議論が進められます。

 厚生労働省による要望の詳細は、以下のサイトでご確認ください。

[参考]
 厚生労働省「令和9年度厚生労働省税制改正要望について
 財務省「令和9年度税制改正要望(厚生労働省)

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