電子カルテをめぐっては、医科診療所・中小病院向けの標準仕様に適合した製品について、2027年4月からの提供開始を目標に、準備が進められています。
今回お伝えする「電子カルテ情報共有サービス」は、電子カルテに記録された患者の診療情報等を、医療機関等の間で共有するための仕組みです。厚生労働省は、この電子カルテ情報共有サービスについて、2026年度冬頃に全国で利用可能な状態にすること(運用開始)を目指しています。
全国10地域でモデル事業を実施中
現在、全国10地域でモデル事業を実施し、サービスの運用方法の検証や課題の確認を進めています。モデル事業で確認された課題を踏まえ、サービスの改修や技術文書(技術解説書等)の改版、さらなる検証なども行われています。
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【課題と対応策の例】 例えば、感染症情報については、医師が患者に説明していない段階で情報が共有されることへの懸念から、医療機関等向けと患者向けで情報を共有するタイミングを整理しています。 また、食品アレルギーについては、各医療機関内で使用するコードと、情報共有に使用するコードのマッピングについて、最低限必要となる範囲やルールの整理を進めています。 |
全国での運用開始に向けて、医療従事者が電子カルテ情報共有サービスへの情報登録や、登録された情報の閲覧などを行う際に参照する「医療従事者向け利用指針(仮)」の作成も進められています。
このほか、医療機関で使用する資材や、コードの対応付けを支援する方策、国民向けの周知広報などについても検討されています。
今後は、サービスや技術解説書等の改修・検証を進め、2026年度冬頃の全国的な運用開始を目指します。
運用開始後は全国への導入を推進
電子カルテ情報共有サービスは、運用開始と同時にすべての医療機関で利用できるようになるという意味ではありません。厚生労働省は、2026年度冬頃に全国で利用可能な状態とした後、全国の医療機関でサービスへの対応が進むよう、導入推進策を実施するとしています。
また、電子カルテ情報の提供・利用体制の整備については、サービスの運用開始段階では、まず地域医療支援病院を指定し、普及状況などを踏まえながら、努力義務の対象を拡大することも引き続き検討する方針です。
政府は、遅くとも2030年には、概ねすべての医療機関で必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指しています。電子カルテ情報共有サービスの全国的な運用開始は、この目標に向けた大きな動きとなりそうです。
[参考]
厚生労働省「第130回社会保障審議会医療部会 資料」
厚生労働省「電子カルテ情報共有サービス」
厚生労働省「医療DXについて」