11月19日に公布され、11月20日に施行された、通勤手当の所得税の非課税限度額の改正。マイカーや自転車通勤者へ通勤手当を支給している場合に、注意します。
給与所得者に対して通常の給与に加算して支給する通勤手当は、一定の限度額まで所得税において非課税とされています。
具体的には、給与計算の際に、一定の限度額までを非課税とし、これを除いて源泉所得税を計算します。
この一定の限度額を「非課税限度額」といいます。
マイカー・自転車などを使用して通勤している人の非課税となる1ヶ月当たりの限度額は、片道の通勤距離(通勤経路に沿った長さ)に応じて、非課税限度額が定められています。
これが、次のとおり改正されました。
| 片道の通勤距離 | 1ヶ月当たりの非課税限度額 | |
| 改正前 | 改正後 | |
| 2km未満 | (全額課税) | (全額課税) |
| 2km以上 10km未満 | 4,200円 | 4,200円 |
| 10km以上 15km未満 | 7,100円 | 7,300円 |
| 15km以上 25km未満 | 12,900円 | 13,500円 |
| 25km以上 35km未満 | 18,700円 | 19,700円 |
| 35km以上 45km未満 | 24,400円 | 25,900円 |
| 45km以上 55km未満 | 28,000円 | 32,300円 |
| 55km以上 | 31,600円 | 38,700円 |
11月20日から開始されましたが、適用は4月1日以後に支払われるべき通勤手当(同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追加支給するものを除く)からとなります。
11月19日までに源泉徴収された分については、遡ってやり直す必要はありません。年末調整で精算をしますが、年末調整で精算する機会のない退職者などは、確定申告により精算することになります。
そのため、年の中途に退職した人などへ給与所得の源泉徴収票を交付している場合で、課税対象とされた通勤手当があり、かつ、改正によって新たに非課税となった部分があるときは、当該源泉徴収票を再交付する必要があります。ご注意ください。
[参考]
国税庁HP「通勤手当の非課税限度額の改正について」、「No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当」