令和5年度税制改正要望が、各府省庁から提出されています。今回はこの中から、医療に関連する要望事項を厚生労働省の資料から取り上げます。
厚生労働省の「令和6年度厚生労働省税制改正要望について」から、医療関連及び医師等の資格関連に今後影響があると思われる主な項目を、以下にピックアップしました。
新型コロナ対応の反省を踏まえ、補助金や診療報酬の上乗せ等による十分な財政支援が整備されるまでの間、病床確保と発熱外来に関して初動対応等を行う特別な協定を締結した医療機関について、感染症流行前の同月と同水準の収入を保証する措置(以下、流行初期医療確保措置)を規定し、令和6年4月に施行。
そこで、流行初期医療確保措置による収入は、社会保険診療による収入の実績に基づいて算定されることや、診療報酬と同様に保険料(保険者の負担)と公費によって賄われていることから、実質的に社会保険診療による収入の代替となるため、税制上で同様に取り扱うことを要望し、事業税については非課税としたい。また、社会保険診療報酬支払基金等が流行初期医療確保措置に係る審査や支払に関して作成した文書の印紙税について、診療報酬と同様に非課税としたい。
医療機関の開設者が、医療介護総合確保法に規定する認定再編計画に基づく医療機関の再編に伴い取得する土地又は建物の所有権の移転登記等に対する不動産取得税の税率軽減措置について、適用期限を2年延長する。
令和6年度中に運用開始予定の「国家資格等情報連携・活用システム」では、住基ネット及びマイナンバーによる情報連携により、資格管理者は、登録事項に対応する資格保有者の氏名・生年月日・住所・性別及び本籍地を入手できることとなる。
そのため、今後、所要の法令改正を経て、籍簿の登録事項に変更があった場合に、資格保有者本人からの変更申請を契機とせずに、資格管理者が職権で登録事項を変更できるようになる予定。
現状、登録事項の変更登録の際に登録免許税がかかる医師、歯科医師等の24資格について、資格保有者の登録事項に変更があったときに、「国家資格等情報連携・活用システム」において、資格管理者が職権で登録事項を変更した場合、登録免許税について、税制上の所要の措置を講ずる。
社会保険診療の高い公共性に鑑み、社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置を存続する。また、医療事業の安定性・継続性を高め、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保に資する医療法人制度を維持するため、医療法人の社会保険診療報酬以外の部分に係る事業税の軽減措置を存続する。
上記以外にも、以下の要望もありました。
さて、どうなるでしょうか。