エネルギー等の価格高騰により影響を受ける医療機関等を支援する策として、物価高騰対策支援金を支給している自治体があります。この物価高騰対策支援金の受給と税務について、確認します。
@ 物価高騰対策支援金とは
エネルギー等の価格高騰による事業者負担を軽減することを目的に、自治体独自に対象者や支援金の価格を設定して交付する支援金のことを、物価高騰対策支援金といいます。
その中でも、医療機関や福祉施設等を対象とした物価高騰対策支援金(以下、支援金)が存在します。
A 対象者、支援額、対象期間、手続
対象者、支援額、対象期間などは、支給する自治体毎に異なります。医院や施設などを開設している自治体の情報を確認し、支給対象となった場合には、申請期間内に忘れずに手続を行いましょう。
支援金を受け取った場合の税の取扱いは、以下のとおりと考えられます。
法人 | 個人事業者 | |
---|---|---|
収入の取扱い(法人税、所得税) | 法人税法上の益金 | 所得税法上の事業所得(総収入金額) |
収入計上時期 | 交付決定時 | |
勘定科目 | 雑収入、特別利益など | 雑収入 |
収入の取扱い(消費税) | 不課税 |
@ 法人が受け取った場合
法人が受け取った場合の税務上の取扱いは、益金として、法人税の課税対象となります。
基本的には、交付決定時に収入計上を行います。
勘定科目は「雑収入」か「特別利益」などの科目で処理を行いましょう。
また消費税については、交付要綱などを確認する必要はありますが、基本的に不課税取引として、消費税がかからないものとして取扱います。
A 個人事業者が受け取った場合
個人が助成金や補助金など(以下、助成金等)を受け取った場合には、個別の助成金等の事実関係によって、課税関係が異なります。
今回ご紹介した支援金は、医療機関や福祉施設等を対象としたものとして“事業”に関連するものと考えられることから、『事業所得』として、総収入金額に計上することとなります。
収入計上は、法人と同様、基本的に交付決定時に行います。
勘定科目も法人と同様、「雑収入」などで処理を行いましょう。
消費税も法人と同様、基本的には不課税取引として取扱います。
また、個人は所得税の確定申告時に、個人事業税の情報も確定申告書に記載する必要があります。
この支援金が事業税にどう影響するかは、あらかじめ開設場所の都道府県税事務所で確認しておきましょう。
新型コロナウイルス感染症以降、様々な助成金等の交付があります。申請もれのないように気をつけましょう。